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ねぇTom、最近ずっと頭の中がグルグルしてて…考えすぎて逆に何もできなくなってきたかも。

わかる!気づいたら「どうしよう」「失敗したら…」とかずっと考えてて、ぐったりするよね。

そうなの。何とか抜け出したいんだけど、どうしたら考えるの止められるんだろう。

ちょうどそんなときに読んだ本があるんだよ。「考えすぎが苦しみの原因」ってバッサリ書いてあってさ、かなり衝撃だった。

なにそれ!?そんなシンプルなことで、気持ちって変わるの?
毎日、頭の中であれこれ考えてばかりで疲れてしまっていませんか?
本記事では、思考がなぜ私たちの苦しみの原因になるのかを解き明かし、「考えることを手放す」ことで得られる心の自由について、やさしく解説していきます。
人は「考える」ことで未来への不安や過去の後悔を作り出します。思考の量が増えるほど、感情がネガティブになっていくのです。
実は、喜びや感謝といったポジティブな感情は“考えた結果”ではなく、思考が静まったとき自然に湧いてくるものです。考えないことが、ポジティブな感情への近道になります。
思考を手放すと、直感と無限の可能性にアクセスできるようになります。そこから生まれるインスピレーションが、心からやりたいことや本当の夢を導いてくれるのです。

著者 | ジョセフ・グエン |
出版社 | ディスカヴァー・トゥエンティワン |
出版日 | 2024年1月26日 |
ジャンル | マインド・心構え |
私たちは日常的に、何か問題が起きると「どうすればいいか」と考え始めます。しかし本書では、まさにこの“考えること”こそが苦しみの原因だと明言されています。
たとえば、友人との会話でうまく言えなかった一言を何度も思い出しては、「あの時こうすればよかった」「嫌われたかも」とぐるぐる考えること、誰しも経験があるでしょう。これは実際の出来事よりも、自分の“解釈”に苦しめられている証拠です。つまり、苦しみは「出来事」そのものではなく、「その出来事にどう意味づけするか」によって生まれるのです。
仏教の教えで言うところの「第一の矢は刺さっても、第二の矢は自分で刺すな」とはまさにこのこと。出来事そのものはコントロールできなくても、それをどう受け取るかは私たちの自由です。そして、私たちは日常的に「第二の矢=思考」で自分を刺し続けているのです。
本書では、まず「自分が考えすぎている」と気づくことが苦しみからの解放の第一歩だと繰り返し説かれています。多くの人は、自分の感情が「事実」によって引き起こされていると思いがちです。しかし実際には、「自分の頭の中にある思考」によって引き起こされているのです。
このシンプルな真実に気づくだけで、私たちは苦しみから一歩距離を取ることができます。感情がネガティブなときは、思考の量が増えているとき。だからこそ、静けさを取り戻すことで感情も落ち着いていきます。
本書では「考えないこと」が逃げでも放棄でもなく、「最も効果的な選択」だとしています。考えれば考えるほど、私たちは問題の中に深く入り込み、出口を見失ってしまうのです。考えるのをやめることで、ようやく本来の自分の心が感じられるようになる。それが真の自由への入り口だと、著者は強く訴えています。
成功するには緻密な計画、練りに練った戦略、努力と根性が必要——これがこれまでの“常識”でした。しかし本書は、あえてその常識をひっくり返し、「最高の結果は“考えていない”状態から生まれる」と断言しています。
その代表的な例が、スポーツやアートの世界における「フロー状態」です。トップアスリートたちは「頭が真っ白だった」「何も考えていなかった」と語ります。これは、無意識と身体が完全に一致した、最高のパフォーマンス状態である証拠です。
私たちは普段、「何かをするときは必ず考えなければならない」と思い込んでいます。しかし、実際には考えることで動きが鈍り、迷いや不安、自己否定の声に縛られてしまいます。反対に、考えずに“今”に集中すると、自分の中にある本来の力が自然に発揮されます。
本書ではこの状態を「無思考」と呼び、最もクリエイティブで生産的なモードだとしています。さらに、ビジネスや日常生活でも「何となく始めた行動がうまくいった」という経験がある人も多いはずです。
実はその“何となく”が、直感=無限の知性から来ているサインなのです。考えずに始めることで、完璧主義や不安に邪魔されず、自然と流れに乗ることができる。本書では「思考する=自分を制限すること」とも述べられています。だからこそ、まず「感じて行動する」ことが何よりも重要なのです。「思考」を捨ててみる。これが、成功へのいちばんの近道かもしれません。
目標を立てるとき、私たちは「何ができるか」「どれくらい現実的か」を考えてしまいがちです。しかし本書では、「目標は考えて立てるものではなく、感じて浮かぶもの」だと説かれています。これが“インスピレーション”で生きるということ。
たとえば「お金を稼ぎたい」という目標も、突き詰めると「安心したい」「自由になりたい」という感情を満たすための手段です。つまり、目的のように見えて、実は“目的のための手段”に過ぎません。本当の目標は、「なぜかわからないけどやってみたい」「やらずにはいられない」と思える、内側から湧いてくる情熱です。
本書では、これを「インスピレーションに基づく目標」と呼びます。そして、そうした目標は「やらなければならない」ではなく「やりたいからやる」という軽やかさを伴っています。驚くことに、このような目標の方が実行力も継続力も圧倒的に高いのです。
逆に、頭で「こうあるべき」と考えた目標は重く、義務感やプレッシャーに支配されやすい傾向があります。著者は「切羽詰まった状態で立てた目標」には、むなしさや燃え尽きがついて回ると警鐘を鳴らします。一方、インスピレーションで生きることは、喜びそのものであり、結果に執着せずプロセスを味わえる状態です。
このように、本当の夢や使命は、無理に考えなくてもすでにあなたの中にあるのです。大切なのは、静けさの中でその声をキャッチし、勇気を持って一歩踏み出すこと。インスピレーションこそが、あなたを真の幸福と豊かさに導いてくれる羅針盤となるのです。
まずは「今、私は考えすぎているかも?」と自分に問いかける習慣をつけましょう。ストレスやイライラを感じたとき、それは“思考のしすぎ”のサインかもしれません。深呼吸をして「その考えは本当?」と一歩引いて眺めるだけで、思考の渦から抜け出すきっかけになります。
趣味や運動、自然の中で過ごす時間など、自分が“無心”になれる活動を日常に取り入れましょう。朝の散歩や好きな音楽を聴く時間など、思考が静まる“入り口”を持つことが大切です。短時間でも継続することで、無思考の感覚が身についてきます。
「これは面白そう」「なぜかわからないけど気になる」と感じたら、その直感を大切にしましょう。思考で分析する前に、まず一歩踏み出してみる。インスピレーションに従うことで、予想もしなかった展開が人生に訪れます。
本書は「考えること」をやめることで安らぎや創造性を得るという哲学的なアプローチを紹介していますが、日常やビジネスに直接適用可能な具体的手法が乏しく、抽象的な理論に終始しています。読者の現実の課題解決にどう繋がるかが分かりにくいため、即効性や応用面において実用度は低めです。事例やメソッドの提示も感覚的で、汎用的に使える「ツール」としては弱い印象です。
語り口は親しみやすく、比喩やストーリー(禅僧の無人ボートの話など)を多用して概念の説明を行っています。しかし、同じような主張や表現が繰り返されて冗長さが目立ち、全体構造も一貫性に欠けて読み手が迷いやすいです。直感やインスピレーションといった曖昧な用語も頻出し、ロジックに頼らない記述ゆえに理解に時間がかかります。
「考えすぎることの弊害」や「心の静寂」の重要性というテーマは、仕事、家庭、学業、創造活動などあらゆる場面に関係するため、着眼点としては広く応用が可能です。ただし、スピリチュアルな要素が強いため、価値観の違いにより一部の読者には合わない可能性もあります。実務的な枠を超えた「心の使い方」に焦点があるため、特定の環境での利用にはやや慎重さが求められます。
文章は平易な語彙で書かれていますが、全体を通して論理的な展開が希薄で、主張の重複が多く、集中力を削がれやすい構成です。また、一文が長くリズムに乏しい箇所が多く、読者を最後まで惹きつける推進力に欠けます。感情に訴える記述が続きすぎて、説明や説得力のバランスが崩れている印象もあります。
心理学や東洋思想を下敷きにした内容が見受けられるものの、体系的な理論や学術的根拠の提示はほとんどなく、著者の個人的経験と主観に大きく依拠しています。「内なる知恵」「無限の知性」など、科学的裏付けに乏しい概念の多用は、専門性の面で評価を下げる要因です。思想書としては一貫性がありますが、学術的・実証的な深みには乏しいと判断しました。

なんかさ、考えることって“良いこと”だと思ってたけど、実は考えない方が自由になれるんだね。

ほんとそれ。考えないことが、こんなに楽でクリエイティブなんて驚いたよ。

なんかスーッと心が軽くなってきたかも。とりあえず、考えそうになったら深呼吸してみる!

うん、「何もしない」を“する”って、最高のリセット法かもな。
思考を手放すことは、人生の舵を“内なる静けさ”に任せること。何かを“考える”のではなく、ただ“感じる”ことから、すべてが始まるのかもしれません。