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この前、姪っ子が「算数がわからん!嫌い!」って泣いてたのよ。小学生って、そんなに算数でつまずくのかな?

あるあるだよ。特に3年生あたりから急に文章題とか抽象的な内容が増えて、苦手になる子が多いって聞く。

なんか「どうせ自分は無理」って思っちゃうと、どんどん勉強から離れていく気がして心配でさ。

でもそれって、学力の問題というより“声かけ”や“教え方”で変わることが多いらしいよ。僕たち親がどう関わるかで、子どもの気持ちが変わるんだって。

たしかに。間違えたらつい「なんでわからないの?」って言っちゃいそうだけど、それが逆効果なんだろうね…。

うん。「できるようになった」っていう小さな成功体験を積ませてあげることが一番の近道なんだってさ。
「算数って、なんでこんなに難しいの?」小学生の子どもが、ため息まじりにつぶやいたとき、親としてどう声をかけたらよいか迷った経験はありませんか?
実は、小学生が「算数が苦手」と感じるのは、才能の問題ではなく“つまずいた単元に気づけていない”だけの場合がほとんどです。そして、その苦手意識を乗り越えられるかどうかは、家庭での声かけと関わり方によって大きく左右されます。
この記事では、算数に苦手意識を持つ小学生への適切なサポート法や、つまずきを解消する家庭での学習の工夫を紹介します。親だからこそできる“気づき”と“励まし”が、子どもを「算数好き」に変えていく第一歩になります。
単なる勉強不足ではなく、理解が不十分な単元の見逃しが苦手意識につながります。親がその“つまずき”に気づくことが克服への近道です。
「どうしてできないの?」ではなく、「一緒にやってみよう」といった声かけが、子どもの自信を育てます。子どもに寄り添う言葉が、やる気を引き出します。
楽しく復習できるコツや、つまずきを発見しやすい学習の仕組みを紹介します。家でできるちょっとした工夫が、成績アップに直結します。

著者 | 今木 智隆 |
出版社 | 文響社 |
出版日 | 2019年11月8日 |
ジャンル | 勉強法・学習法 |
小学生が算数を苦手だと感じるとき、その根っこには「どこかの単元で理解が抜けたまま進んでしまっている」ことが多いです。算数は積み重ねの教科なので、前の学年や前の単元でのつまずきを放置すると、今の学習内容もつながらなくなってしまいます。
たとえば3年生の文章題が解けない子は、実は「かけ算の意味」や「図にして整理する力」が育っていない場合もあります。本書では、「今わからない問題」だけでなく、「どこからつまずいているのか」を一緒に探ることの大切さが丁寧に解説されていました。
特に印象的だったのは、“できない問題の正体”をあぶり出す「逆戻りの復習」の考え方です。いきなり解説をするのではなく、「この言葉、見たことある?」「この計算、いつ習ったっけ?」と声をかけて振り返ることで、子ども自身がつまずきを見つけられるようになります。
「算数が苦手」ではなく、「どこで止まっているのか?」を一緒に探る姿勢が、子どもの安心感につながると感じました。今の学年の内容をがむしゃらに教え込むのではなく、一歩戻る勇気こそが理解の鍵なのだと思います。
親としても、「わからない」には必ず理由があると信じて、一緒に丁寧にたどっていくことが大切だと感じました。
算数に限らず、子どもが苦手意識を持ってしまう最大の原因は、「できない自分はダメだ」という思い込みです。そしてその思い込みは、多くの場合、親や周囲のちょっとした言葉から生まれてしまいます。たとえば「どうしてこんな簡単な問題ができないの?」という一言は、子どもにとっては“否定された”と感じる引き金になりかねません。
本書では、「問い詰める」のではなく「寄り添う」声かけの重要性が何度も繰り返されていました。「ここが難しかったんだね」「どこまでわかってるか一緒に見てみよう」など、子どもが安心できる関わり方が紹介されています。
声かけを変えるだけで、子どもは“否定されている”から“理解しようとしてもらえている”という感覚に切り替わり、前向きになります。子どもは“できた”よりも“できそう”という感覚の積み重ねで自信を育てていくんだと実感しました。
日々の声かけで「大丈夫、わかるようになるよ」と伝え続けることが、算数の苦手意識をやわらげる第一歩だと思います。親の言葉は、子どもの思考よりもずっと深く、心に届いていることを忘れないようにしたいです。
子どもにとって「算数=楽しくないもの」という印象がついてしまうと、それを取り払うのはとても大変です。でも、学び方を少し変えるだけで、苦手な算数も“遊び”のように前向きに取り組めるようになるというのが、本書の面白いポイントでした。
たとえば、制限時間を設けて「よーい、スタート!」と声をかけたり、図形の問題を「お絵描き」として取り組んだり、計算カードを「トランプ感覚」で使ったりする方法が紹介されています。“勉強”と構えさせるのではなく、“遊び”として自然に取り入れることで、子どもはスッと学びに入っていけるのです。
我が家でも、積み木を使って「何個あるかな?」と数えさせたり、と色々会話したりしてみたことがあります。算数って、本当は日常の中にたくさんあって、もっと自由に触れられるものなんですよね。本書を読んで、「机の上だけが学びじゃない」という視点に救われたような気がしました。
子どもの興味に寄り添って、算数を“遊びの延長”として楽しめるようにしてあげたい。苦手意識を薄めるには、まず「楽しい」という気持ちを引き出す工夫が一番だと改めて感じました。
子どもが「わからない」と言ったときにすぐ教えるのではなく、「どこまでならできた?」と一緒に振り返ってみましょう。「どこがわからないの?」と聞くのではなく、「前の単元に戻ってみようか」「似た問題はどうだったかな?」と声をかけることで、自分でつまずきに気づく力が育ちます。今の学年にこだわらず、“戻って学ぶ”ことを肯定する関わり方が大切です。
苦手意識のある子ほど、自信を失いやすくなっています。「できなかったところ」ではなく、「ここは合ってるね」「最後まで考えたね」と“できた部分”に目を向けて声をかけましょう。たとえ間違っていても、「工夫しようとしたね」と過程を認めることで、子どもは前向きに取り組む意欲を取り戻します。小さな成功体験を積み重ねるために、親が“見つけてほめる目”を持ちましょう。
「お菓子を3人で分けると何個?」「時計の長い針が6になったら出発だよ」など、生活の中で算数に触れる機会を意識的に増やしてみましょう。子どもが「わかる!」「できた!」と感じる経験が、学習への前向きな気持ちにつながります。1歳児であっても、「いくつあるかな?」「大きいのはどっち?」と数や大きさに触れる会話をするだけで、“算数の土台”を育てることができます。
算数教育に関する具体的なアプローチや失敗例が豊富で、家庭学習の改善にすぐ活用できる内容でした。特に「どこに戻ればよいか」など学習フローチャート的な考え方が実践向きです。ただし、対象が主に小学生向けに限定されているため、万人向けというよりやや範囲が狭い点で減点しました。
例え話や具体例が豊富で、親にとって非常に理解しやすい構成になっています。しかし、内容量が非常に多く、要点がやや散らばっているため、忙しい親が一気に読むには少しハードルが高いです。もう少し章ごとのまとめやポイント整理がされていれば、満点に近かったです。
学年別ではなく「つまずき単元」で学び直すという提案は、幅広い子どもに応用できる考え方です。とはいえ、小学生の家庭学習向けというターゲットがかなり限定されており、中高生や大人への適応は難しい構成でした。算数の基礎力向上」という範囲に絞った汎用性にとどまっているため、厳しく3点としました。
著者の語りかけるような文章スタイルや、親しみやすいトーンは好印象でした。ただ、似たような論点が何度も繰り返されたり、分量が多くてダレる部分があり、読むのに根気が要るのが難点です。特に後半にかけては、同じ主張の重複が目立ち、整理されていればもっと読みやすかったでしょう。
データに基づいた分析や、アメリカの教育研究も引用されており、単なる体験談に留まらない信頼感がありました。教育理論や脳科学的な裏付けが少し薄く、より専門的なエビデンスを引き合いに出していればさらに良かったです。実践知に強く、学問的裏付けに少し弱いバランスなので、厳しめに4点にしました。

いやー、やっぱり算数って「できない」じゃなくて「どこで止まってるのか」に気づくのが大事なんだね。

そうそう。それに、声かけひとつで子どもの自信って全然変わるんだなって改めて思ったよ。

「なんでできないの?」じゃなくて、「ここまでできたね」って言ってあげたいよね。うちの子にも。

あとさ、算数って“机の上だけ”じゃないっていうのも救いだったな。生活の中にあふれてるんだって気づけた。

まだ1歳だけど、これからの声かけや遊び方が将来の“学ぶ力”につながっていくんだろうなあ。

うん、まずは「算数って楽しい」って思ってくれる土台を、日常からつくってあげよう!
子どもの「わからない」には、ちゃんと理由があります。寄り添い、励まし、楽しさを伝えることが、苦手を「できる」に変える最初の一歩です。