【要約・書評】金を使うならカラダに使え

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はじめに

Mam
Mam

最近ね、朝起きても疲れが全然抜けてなくてさ…「これが老化?」って不安になるんだよね。

Tom
Tom

わかる。なんか昔みたいに無理が効かないっていうか、回復が遅いって感じるよね。

Mam
Mam

でさ、この前ホリエモンの本を読んだんだけど、「老化は病気」って言い切っててびっくりしたの。

Tom
Tom

おぉ、あのホリエモンが?でも言われてみれば、病気って予防できるもんだし…老化もそうかもね。

「最近、なんだか老けた気がする」「健康診断の数字が気になり始めた」

そんな不安を感じている人にこそ知ってほしいのが、堀江貴文が提唱する「予防医療という名のカラダへの投資」。老化は止められないものではなく、“戦略的に遅らせることができるもの”なのです。

この書籍で分かること

分かること1:なぜ「老化は病気」なのか?

老化は全身の機能低下を引き起こし、多くの病気の原因になります。だからこそ「予防」する視点で老化を捉えることが、今の医療では常識になりつつあります。

分かること2:カラダは「投資先」として最もリターンが大きい?

医療・運動・睡眠の習慣づくりが、健康寿命と人生の生産性を劇的に高めます。堀江氏は“カラダを資産と見立てて運用する”という考え方を提案しています。

分かること3:運動・ミトコンドリア・エクソソーム…最新科学の可能性とは?

筋肉から分泌されるマイオカインや、細胞内エネルギーを生むミトコンドリアの機能強化など、科学の進歩により「若さを保つ」具体的な手段が日々進化しています。

参考書籍の概要

本書の3つの要点

要点1:老化は病気であり、予防が可能である

堀江氏は「老化は病気」と断言しています。これは決して大げさな表現ではなく、欧米の医療界でも広がりを見せる新たな常識です。老化によって筋力が衰え、聴力や視力が低下し、記憶力や判断力が鈍る――これらは自然な現象ではなく、介入可能な生物学的変化と見なされています。

つまり、何もしなければ確実に進行する一方で、正しい知識と対策を持てば、緩やかに、あるいは一部逆転も可能というのが現代医学の見解です。

堀江氏は自身の身体を“実験材料”にしながら、最新の研究に基づいた予防医療を実践しています。たとえばミトコンドリアという細胞内小器官の機能低下が老化の要因であることに着目し、その活性化を促すサプリメントや医薬品(例:MAI5)を導入しています。

ミトコンドリアはエネルギー生産の要であり、心臓や腎臓、脳などに深く関与しているため、ここを整えることで多くの老化症状を抑えられるという研究が進んでいます。

また、幹細胞から分泌される「エクソソーム」によって血管修復や抗炎症効果が期待される治療法も、自費で試しながら経過を観察しているとのこと。こうした最先端の取り組みを「早すぎる」と切り捨てるのではなく、「試せる段階で試す」という姿勢が、堀江流“予防医療投資”の真髄です。

現代医療の進化は驚くべきスピードで進んでいます。ヒトゲノムの解読やiPS細胞の登場、国際的な研究ネットワークの拡大により、「何が老化を引き起こすか」が日々明らかになりつつあります。堀江氏はその知見をいち早くキャッチし、「知らないことが最大のリスク」と位置づけています。

老化は避けられないものではなく、遅らせることができる“敵”として見る。この意識改革こそが、本書が訴える最大のメッセージであり、健康で長生きするための第一歩なのです。

要点2:筋肉とマイオカインこそ最強の薬

堀江氏は本書で「運動は最強のアンチエイジング」と繰り返し述べています。その裏付けとなるのが、運動時に分泌される「マイオカイン」というホルモン様物質の存在です。これは筋肉を動かすことで分泌され、血液を介して全身の臓器や組織にシグナルを送り、さまざまな健康効果をもたらします。

たとえば、あるマイオカインはがん細胞の増殖を抑えたり、別の種類は骨密度を高めたり、脳神経の再生を促進するといった効果が実証されつつあります。さらに、最新の研究では、乳酸ですらエネルギー源として再評価されており、「疲労物質」との常識が覆されてきています。

藤井宣晴教授の研究では、骨格筋を電子顕微鏡で観察し、微細なダメージによる“修復反応”が筋肥大やマイオカイン分泌を促すことが示されています。つまり、運動による筋肉の“破壊と再生”は、単なる体力維持ではなく、全身の細胞再生や疾患予防に繋がっているのです。

堀江氏自身は、キックボクシング、ゴルフ、アドベンチャーレースなどを生活に取り入れ、「楽しい」と感じることを最優先にしています。続けられる運動こそが最高の投資であり、毎回のトレーニングが「未来の健康への積立」になるというわけです。

さらに、老化の要因とされるサルコペニア(加齢性筋肉減少症)やフレイル(虚弱状態)は、筋量と筋力の低下によって引き起こされます。これを防ぐには、ただのストレッチやウォーキングだけではなく、ある程度の負荷をかけた筋トレが必要です。

「筋肉=自家製の薬局」。マイオカインがこの言葉を実証する時代が、すぐそこまで来ています。

要点3:健康診断と先端医療の活用が最大の自己防衛

堀江氏が繰り返し強調しているのは、「健康診断は未来を予測するツールである」ということです。多くの人は健診の数値だけを見て一喜一憂しますが、本当に大切なのは“変化”のトレンドを見ること。ある項目が基準値内でも、年々少しずつ悪化していれば、それはリスクの兆候です。

また、通常の健診では見落とされるリスクを補う手段として、堀江氏はさまざまな精密検査も受けています。たとえば、大腸がん検診では便潜血検査だけでなく、大腸内視鏡検査を定期的に受けて、ポリープを早期に切除することでがん化を防止しています。こうした行動は、「症状が出てから病院に行く」という従来のスタイルから、「未病のうちに手を打つ」という予防型医療へのシフトを象徴しています。

さらに、GDF5やFGF23といったマーカーによって、ミトコンドリアや腎機能の状態を可視化する新しい検査も登場しています。日本ではまだ一般的でないものも多いですが、未来の医療は“個別化”がキーワードになるでしょう。

また、堀江氏は「エクソソーム点滴」や「テストステロン補充療法」など、海外では一般化しつつある先端医療にも言及し、「使えるものは使う」「試せるうちに試す」姿勢を明確にしています。たとえ現時点で確定的なエビデンスがなくても、将来それが“正解だった”と分かる可能性があるなら、やっておかない手はない――これが彼のロジックです。

「健康寿命を延ばす」ためには、医療を“受け身”で捉えるのではなく、“活用するツール”として見直すべきです。その先にあるのは、自由な人生時間の最大化なのです。

3つのアクションプラン

プラン1:老化を病気と捉えてケアを始める

まずは「老化=予防可能な現象」という意識を持つことが重要です。人間ドックだけでなく、GDF5(ミトコンドリア指標)やFGF23(リン調整の指標)といった新しい検査も、自費でも一度受けてみましょう。

定期的な測定をしておくと、見えない体内の変化を数値で把握できます。年に1回の“健康の棚卸し”を自分に課すだけでも、大きな違いが出ます。

プラン2:筋肉を維持する習慣をつくる

週に2〜3回、無理のない範囲での筋トレやウォーキングを習慣にしましょう。おすすめは「朝起きたらスクワット10回」など、生活リズムに組み込めるルーティンです。

筋肉を動かすことでマイオカインが分泌され、全身に良い影響を与えます。さらに、タンパク質やアミノ酸の摂取も並行して行えば、より効果的に筋力を維持できます。

プラン3:健康診断を“未来予測”のツールとして活用する

健康診断は“現状確認”だけでなく“未来のリスク”を見つけるために活用しましょう。検査項目ごとの変化を記録し、過去のデータと比較することで、身体の傾向が見えてきます。

特に気になる数値がある場合は、精密検査や専門外来を早めに受けておくと安心です。また、医療テクノロジーの進歩に応じて、新しい検査や治療法にも柔軟に目を向けることが大切です。

本書の評点

実用性
 (4)
分かりやすさ
 (3)
汎用性
 (3)
読みやすさ
 (4)
専門性
 (4)

実用性 

健康診断や運動、睡眠、口腔ケアといった身近なテーマが具体的かつ実践的に紹介されており、読者がすぐに取り入れられる情報が多く含まれています。ただし、一部の治療法(エクソソーム点滴やMAI5など)は未承認で費用も高額なため、誰にでも実用的とは言えません。

分かりやすさ 

一般向けに噛み砕いた表現も多く見られますが、医学専門家の発言や研究の紹介において、やや専門用語が多く、解説が足りない箇所があります。また、文体の一部に乱れや脱字もあり、読み手に負荷がかかる部分もありました。

汎用性 

中高年層を主なターゲットにしているため、若年層にはやや距離感があります。アンチエイジングや予防医療に強い関心を持つ人には参考になりますが、全世代に適用できる内容ではありません。また一部は高所得層向けの内容でもあります。

読みやすさ 

エピソードや筆者自身の体験談を交えた構成が多く、読者の関心を引きやすい文章になっています。雑誌連載ベースのため章立ても工夫されており、どこからでも読み始められる配慮がされています。ただし分量が多く、情報量に圧倒されやすい点で満点とはしません。

専門性 

医学・生化学の専門家への取材内容を多く取り入れており、情報の出典や研究成果が豊富です。特にミトコンドリアやマイオカイン、FGF23といった具体的な生理学メカニズムに触れている点は評価できます。一方で一部には臨床的エビデンスが不足する情報や、偏った意見も含まれています。

まとめ

Mam
Mam

読み終わって思ったけど、「老化」ってもう運命じゃないんだね。

Tom
Tom

そうそう。「病気なら治す」「衰えるなら鍛える」って考え方、超前向きだよね。

Mam
Mam

筋トレも検査も、ちょっとずつやれることから始めればいいんだってわかったし。

Tom
Tom

俺もエクソソーム点滴は無理でも、深呼吸と運動からやってみようかな(笑)

健康は“未来をつくる資本”。老化を受け入れるのではなく、管理し、遅らせる。そのために今できることから始めてみませんか?

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