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Tom、最近ちょっと思うんだけどさ、論理的に考えるって実はすごく難しいよね。

うん、なんとなく感覚で考えちゃって、結論にたどり着けないことがよくあるよ。

私もそう。仕事で「もっとロジカルに考えて」って言われるたびにモヤモヤする。

でもね、昨日読んだ本に面白いことが書いてあってさ。世界一流のエンジニアは、「論理的思考力」を習慣で鍛えているんだって。

え、習慣で?才能とかじゃなくて?

そう。ちょっとした考え方のクセを変えるだけで、誰でも鍛えられるらしいよ。
論理的思考力は、一部の天才だけが持つスキルではありません。むしろ、日々の習慣や問題への向き合い方を変えることで、誰でも磨いていける“技術”です。
本記事では、「世界一流のエンジニアの思考法」という書籍をもとに、論理的思考力の鍛え方を具体的に紹介していきます。
思考を紙に書き出すことで、情報の構造や自分の考えのクセが明確になります。特に一流のエンジニアは、「書く」ことを通じて論理的に思考を深めています。
複雑な問題も図解することで全体像が見え、因果関係や優先順位が整理できます。優れたエンジニアほど、「図にする」習慣を自然と持っているのです。
情報をカテゴリで整理し、因果や順序を明確にすることで、思考は再利用可能になります。構造を意識することで、論理的思考力はより強固なものになります。

著者 | 牛尾 剛 |
出版社 | 文藝春秋 |
出版日 | 2023年10月23日 |
ジャンル | 生産性・時間管理 |
一流のエンジニアたちは、頭の中で考えるだけではなく、常に「書いて整理する」ことを実践しています。アイデアや課題を視覚化することで、思考の流れを客観的に捉えることができるのです。
「現状→課題→仮説→検証」というフレームワークに沿って、情報を紙に書き出すことで、複雑な状況も構造的に整理されます。モヤモヤした思考も、書くことで驚くほどクリアになり、次に取るべき行動が明確になります。
頭の中で考えていると、どうしても感情や思い込みに引っ張られてしまいがちですが、紙に書くことで論理の矛盾に気づけるのです。思考を言語化するという行為そのものが、論理的な筋道を立てるトレーニングになります。
日々のちょっとしたメモや図解も、積み重ねれば確実に“思考の筋肉”として身につきます。特に未経験の分野や、抽象的なテーマに取り組むときほど「書いて考える」ことが効果を発揮します。
問題解決に向けた第一歩として、頭の中から一度“外に出す”というプロセスが不可欠です。この習慣を取り入れるだけで、情報処理力・理解力・発想力が飛躍的に伸びるのです。
優れたエンジニアや思考力の高い人々は、抽象的なアイデアを図で表現するのが上手です。文字情報だけでは伝わりにくい内容も、図にすることで一瞬で伝わるようになります。
たとえば、プロジェクトの全体像を「矢印」や「ボックス」で可視化することで、抜け漏れや論理の飛躍が見えてきます。頭の中だけで組み立てたアイデアは整っているように見えても、いざ図に起こしてみると関係性が曖昧だったり、要素の抜けがあることに気づかされます。
図にすることで、どこを深掘りすべきか、どこがボトルネックになっているかが明確になるのです。図解とは単なる“説明ツール”ではなく、“思考の補助輪”としての役割も果たします。
また、図解を習慣化することで、頭の中で「図式的に考えるクセ」も身につきます。論理と直感を同時に使う訓練にもなり、説明のスピードや説得力も格段に向上します。
ビジネスにおいても、「パワポでまとめる前にまず紙に図を書く」というひと手間が、企画力を大きく変えるのです。図解化は、「全体をつかむ力」と「要点を切り出す力」の両方を育てる最強のトレーニング法です。
一流のエンジニアやビジネスパーソンが共通して持っている力のひとつが「構造化思考」です。これは、バラバラの情報をグルーピングし、関係性を整理して“地図のように”まとめる技術です。
たとえば、課題に対して「原因」「影響」「対策」というカテゴリを設けたり、MECE(漏れなくダブりなく)で整理したりする方法が挙げられます。構造化の力を鍛えることで、情報の受け取り方・整理の仕方・アウトプットの精度がすべて向上します。
構造化された情報は、他人に伝えるときにも非常に有効です。話が長くなったり、伝えたいことがぼやけたりする人の多くは、構造を意識していないことが原因です。
逆に構造を意識すれば、「結論→理由→具体例→再主張」というロジックで話ができ、説得力が段違いに上がります。また、構造的に理解できている情報は、状況に応じてアレンジしたり応用したりすることも容易です。
単なる暗記ではなく、情報を“骨組み”として頭に入れることで、知識が「使える知恵」に変わります。構造化は思考の再利用性を高め、複雑な問題を解く力の源になります。
つまり、学んだことを武器に変える鍵が、この“構造化”なのです。
毎日5分でもいいので、頭に浮かんだことを紙に書いて整理する習慣を持ちましょう。特に「現状→課題→仮説→検証」のフレームで思考を構造化する練習が効果的です。書くことを通じて、自然と論理の筋道が身についていきます。
文章ではなく、1枚の図で考えを表現することを意識しましょう。たとえば、プロジェクトの進行フローや課題の原因を図式化することで、思考の抜け漏れや優先順位が見えてきます。図解に慣れると、言葉にしなくても全体像が把握できるようになります。
文章を書く前や話す前に、情報を3〜4つのカテゴリに分けて構造化してみましょう。「結論→理由→例→まとめ」など、ロジカルなフレームを活用するのがポイントです。構造的に整理された情報は、記憶にも残りやすく、人にも伝わりやすくなります。
プロジェクトマネジメントやキャリア形成に直結するアドバイスが多く、現場ですぐ活かせる内容が豊富です。特に問題解決やチーム運営に関する提案は実践的でした。とはいえ、初学者には抽象的に感じる箇所もあり、全員に即効性があるとは言えません。
一つ一つのエピソードは具体的ですが、話が脇道にそれることが多く要点がぼやけがちです。段落の区切りやポイントの整理が甘く、読者が主旨を掴みにくい場面がありました。図表やまとめがあれば、さらに理解が深まったと感じます。
エンジニアリングだけでなく、一般的なビジネススキルにも通じる教訓が数多くありました。特にリーダーシップや自己成長に関する部分は幅広い業種に適用可能です。ただ、IT業界にある程度馴染みがないと完全に理解するのは難しいでしょう。
文章が熱量を持って書かれている一方で、内容が詰め込み気味で冗長さが目立ちました。章ごとのメリハリやテンポが弱く、読了までにかなり集中力を要します。見出しや箇条書きによる整理があれば、もっとスムーズに読めたはずです。
マイクロソフトでの実体験に基づく内容は、非常にリアリティがあり説得力が高いです。特にチーム運営や人材育成に関する知見は、現場に即した実践的なものでした。ただし、より深い技術的解説や理論体系を求める層には少し物足りなく映るかもしれません。

なるほど〜、紙に書いて考えるって、地味だけど大事なんだね。

うん、思考って頭の中だけで完結しないんだよ。見える化してこそ深まるってことだね。

「なぜ?」を何度も繰り返すのも、クセにすれば自然とできそう!

そうそう。最初は意識しないと難しいけど、慣れると自然になるらしいよ。

あと感情と論理を分けるって、私に一番必要かも(笑)

わかる(笑)でも意識するだけでも、行動が変わってくるから面白いよ。
論理的思考力は、才能ではなく“訓練”で磨かれる力です。今日からできる小さな習慣を積み重ねていくことで、誰でも「考える力」は育っていきます。
あなたも、思考を鍛える一歩を踏み出してみませんか?