【要約・書評】人生うまくいく人の感情リセット術

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はじめに

Mam
Mam

最近、ちょっとしたことでイライラしちゃうのよね…。なんでこんなに感情が乱れるんだろう?

Tom
Tom

それ、すごく分かるよ。僕もストレスで不安になったり、落ち込んだりすることが多いんだ。

Mam
Mam

感情ってどうにもならないものだと思ってたけど、実は「リセット」できるって本で読んだの。

Tom
Tom

へぇ、それ気になる!どんな方法なの?

悩みの9割は「感情」が原因――。仕事のストレス、人間関係のイライラ、将来への不安…。私たちは日々、感情に振り回されています。しかし、その感情をうまく扱うことができれば、悩みのほとんどは解決可能です。

本記事では、精神科医・樺沢紫苑氏の著書『人生うまくいく人の感情リセット術』をベースに、感情に振り回されない「感情リセット法」を紹介します。科学的根拠と実践的な習慣を通じて、あなたの心を軽くするヒントが満載です。

この書籍で分かること

分かること1:感情に振り回されるのはなぜ?

感情にはポジティブなものとネガティブなものがありますが、ネガティブ感情は脳の「扁桃体」によって無意識に生まれています。この反応を意識的にコントロールできない限り、私たちは感情に支配されてしまいます。

分かること2:感情をリセットするにはどうすればいい?

感情は「身体」と「思考」によってリセットが可能です。運動・睡眠・日光浴といった基本的な生活習慣が脳の状態を整え、ネガティブ感情を抑制してくれます。

分かること3:日常生活で簡単に実践できる方法とは?

感情を整えるには、習慣化されたシンプルな行動が効果的です。朝散歩や日記、ポジティブワードの活用など、忙しい毎日でも続けられる方法が紹介されています。

参考書籍の概要

本書の3つの要点

要点1:感情は脳の仕組みで決まることを理解する

私たちはしばしば、怒りや不安、イライラといった感情を「性格」や「意志の弱さ」のせいだと考えがちです。しかし実際には、これらの感情は脳内の神経活動によって引き起こされる「反応」であり、脳の構造と機能によって大きく左右されます。

特に重要なのが「扁桃体」という部位で、これは危険や不快を察知して即座に反応する「感情の警報装置」です。たとえば、何気ない言葉に強く反応してしまうのは、扁桃体が過敏になっているからです。

一方、私たちの理性や論理的思考を司るのは「前頭前野」と呼ばれる部位です。前頭前野は扁桃体の過剰な興奮を抑制するブレーキのような働きを持っていますが、疲労やストレスで機能が低下するとそのブレーキが利かなくなります。つまり、感情に振り回されるのは意思の問題ではなく、「脳のコンディション」によるものなのです。

この事実を知ることで、感情を無理に抑え込んだり、自分を責めたりする必要がなくなります。「感情=脳の反応」と捉えると、自分を客観視しやすくなり、対処もしやすくなります。また、脳は訓練によって機能を改善することが可能です。

例えば、前頭前野の働きを鍛えることで、扁桃体の興奮を抑えやすくなります。そのための方法として、瞑想や深呼吸、6秒ルール(感情が爆発する前に6秒待つ)などが有効です。つまり、感情の正体を知ることは、自分自身を変えるための第一歩であり、「感情はコントロール可能だ」という希望にもつながります。

要点2:生活習慣で感情をリセットする習慣を身につける

ネガティブな感情をゼロにすることはできませんが、その影響力を小さくすることは十分可能です。そのために最も効果的なのが「生活習慣」の見直しです。

精神科医・樺沢紫苑氏が強調するのは、感情を整えるためには「脳のコンディションを整える」ことが不可欠だということ。つまり、感情の安定には運動・睡眠・日光浴といった基本的な生活習慣が大きく関係しています。

たとえば、毎朝10〜15分の散歩を行うだけで、セロトニンという「幸福ホルモン」が分泌され、気分が安定しやすくなります。これはうつ病の予防にもなることが知られています。また、睡眠も極めて重要です。6時間未満の睡眠が続くと、前頭前野の働きが鈍くなり、感情をコントロールしにくくなります。逆に7〜8時間の質の良い睡眠は、扁桃体の過剰反応を抑える効果があります。さらに、日光を浴びることも見逃せません。朝の光は体内時計をリセットし、脳内の神経伝達物質のバランスを整えてくれます。

忙しい現代人にとっては、こうした習慣を意識的に取り入れる必要がありますが、どれも実行が難しいものではありません。例えば「通勤を一駅手前で降りて歩く」「寝る前にスマホをやめて読書する」「朝起きたらすぐベランダに出て深呼吸する」といった簡単な工夫で実現できます。

日々の積み重ねが、脳の状態を整え、感情の安定につながるのです。これらの習慣は一朝一夕には効果が出ないかもしれませんが、1週間、1ヶ月と続けることで、確実に心が軽くなっていきます。だからこそ、最初の一歩を踏み出すことが何より大切です。

要点3:思考を切り替えるワザを身につける

感情に飲まれてしまう瞬間というのは、誰にでもあります。たとえば、上司に注意されてカッとなったり、SNSのコメントにイライラしたりといった具合に、思考よりも感情が先に反応してしまうのが人間です。しかし、ここで「思考を切り替える習慣」があれば、感情に引きずられる前に冷静さを取り戻すことができます。

そのための方法は意外とシンプルです。まず有効なのが「自問自答」です。「今、本当に怒るべきか?」「相手の言葉の真意は何か?」と一度問いを立てるだけで、感情の暴走にブレーキをかけられます。また、ポジティブな言葉を意識して使うことも有効です。

たとえば「ありがとう」「嬉しい」「よかったね」といった言葉を口に出すことで、脳内の回路がポジティブモードに切り替わります。これは神経科学でも裏付けられている効果で、ポジティブな表現はセロトニンの分泌を促します。

さらに、感情を書き出す「ジャーナリング」もおすすめです。日記に今日の出来事とそれに対する自分の気持ちを言語化することで、感情を客観視できます。頭の中に渦巻く思考を文字にすることで、自然と心が整理され、冷静さを取り戻せます。また、感情が高ぶったときに「6秒ルール」を実践するのも効果的です。6秒間待つだけで、扁桃体の興奮が和らぎ、前頭前野が再び働き始めると言われています。

これらの「思考スイッチ」は、感情の嵐を乗り切るための救命ボートのようなもの。常に完璧にできなくても大丈夫。大切なのは、こうしたツールを“持っている”という意識です。使いこなすうちに、感情に流されず、自分で自分の心を整える力が養われていきます。

3つのアクションプラン

プラン1:感情の仕組みを知ることで、自分を責めるのをやめる

まずは、怒りや不安を感じたときに「これは脳の反応だ」と意識する癖をつけましょう。脳内の扁桃体と前頭前野の働きを理解することで、感情を客観視できるようになります。感情に支配されるのではなく、観察する立場に立つことで冷静さを保てます。感情に反応した自分を責めるのではなく、「脳がちゃんと働いている証拠だ」と前向きに捉える姿勢が大切です。

プラン2:脳に良い習慣を日常に取り入れる

毎朝10分の散歩を習慣化し、日光を浴びてセロトニンを活性化させましょう。睡眠時間は最低でも6時間、できれば7〜8時間を確保して脳のリセット時間を確保します。夜はスマホを控え、読書やストレッチでリラックスして睡眠の質を高めましょう。無理に完璧を目指さず、できることから少しずつ取り入れることが継続のコツです。

プラン3:思考のスイッチを使って感情の波を乗りこなす

感情が揺れたときには「これは本当に怒るべきこと?」と自問してみましょう。日記やスマホメモにそのときの感情と出来事を書き出して、客観的に眺めてみるのも効果的です。言葉の力も活用し、1日1回「ありがとう」「嬉しい」を声に出してみてください。また、強い感情を感じたときは、まず6秒深呼吸して冷静さを取り戻す練習をしてみましょう。

本書の評点

実用性
 (4)
分かりやすさ
 (5)
汎用性
 (4)
読みやすさ
 (5)
専門性
 (3)

実用性 

本書はストレス対処やモチベーション維持、人間関係改善など、日常の多くの悩みに即効性のある具体策を提示しています。特に「言葉の言い換え」「数値化」「ご褒美の使い方」など、すぐに実践できる工夫が豊富です。ただし、一部の例や方法は読者の置かれた環境や性格に強く依存するため、万人に完全に機能するとは限りません。

分かりやすさ 

脳内物質や心理学的な理論をわかりやすくかみ砕き、豊富な具体例と対話形式で説明されており、誰にでも理解できる構成になっています。科学的な要素も平易に説明されており、難解な専門用語はほとんど見られません。また、読者の感情に寄り添う語り口でスムーズに読み進められます。

汎用性 

ビジネス、プライベート、人間関係、健康など幅広いシーンに応用できる内容が揃っており、どの読者にも一定のヒントは得られるはずです。ただし、「ネガティブ感情のリセット」という一点に特化しており、より構造的な問題解決には弱い面もあります。

読みやすさ 

文章は非常に平易でテンポも良く、章立てや箇条書き、エピソードの挿入など工夫されており、飽きずに読める構成です。冗長さも少なく、専門家による説得力のある語りかけも読者の信頼感を高めています。内容は多いながらも情報が整理されており、理解が進みやすいです。

専門性 

精神科医としての経験や脳科学的知見を基にしていますが、出典やデータの厳密な裏付けは控えめで、やや一般向けの自己啓発的な色が強い印象です。科学的根拠が示される場面もありますが、論文や実験の詳細な説明が少ないため、専門的な精度を求める読者にはやや物足りないかもしれません。

まとめ

Mam
Mam

へぇ〜、感情って脳の仕組みだったんだね。なんか安心したよ。

Tom
Tom

うん、僕も。「感情をリセットできる」って知るだけで、気が楽になった!

Mam
Mam

よし、明日から朝散歩始めてみようかな。

Tom
Tom

僕は今日からポジティブワードを意識して使ってみるよ。

感情は私たちの人生に大きな影響を与えますが、正しく理解し、向き合えばコントロール可能なものです。精神科医・樺沢紫苑氏の提唱する「感情リセット法」は、シンプルながらも科学的根拠に裏打ちされた実践法ばかり。あなたもぜひ、今日からできる一歩を踏み出してみてください。

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