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ねぇTom、会話において、「そんなつもりじゃなかったのに」って思うこと増えてない?

あ〜わかる。会話のつもりが、なぜか相手を怒らせちゃったり、距離置かれたり…。

こっちはちゃんと伝えたつもりなんだけどね。でもなんで伝わらないんだろ?

それ、もしかしたら「話し方」の問題かもよ。この前読んだ本に、まさにそれ書いてあってさ。
「その言い方、なんか冷たく聞こえる…」「悪気はなかったのに、誤解されて距離を置かれた」
そんな経験はありませんか?実は、同じ内容でも“話し方”によって、相手に与える印象は大きく変わるのです。
この記事では、日常会話やビジネス、恋愛、人づきあい全般に役立つ「得する話し方」の具体例とテクニックを、心理カウンセラーでもある著者の知見をもとにわかりやすく紹介します。
相手の話にすぐ口を挟んだり、「私なんて…」が口ぐせになっていたり。よかれと思ってしている言動が、実は“損している話し方”だった…という具体例がたっぷり紹介されます。一見すると普通のリアクションでも、相手を疲れさせていることも。自分では気づけない“損”の原因にハッとさせられます。
得する人は、共感・ユーモア・ポジティブな空気を自然と作り出します。「聞く」姿勢や「間」の取り方、あいづちのバリエーションなど、すぐに真似できるコツが満載です。また、相手の名前を呼ぶ・反応に返す・話を広げる…といったシンプルな習慣が、信頼や好印象につながることも解説されています。
「どうせ」→「きっと」、「すみません」→「ありがとう」など、ほんの少しの言い換えで印象がガラリと変わる事例が豊富に紹介されています。その効果は、職場・友人関係・恋愛などあらゆる場面で応用できる、まさに“使える”言葉の技術です。

著者 | 五百田 達成 |
出版社 | ディスカヴァー・トゥエンティワン |
出版日 | 2022年7月22日 |
ジャンル | 人間関係・コミュニケーション |
人間関係において最も基本的かつ効果的な行動が「聞くこと」です。多くの人は「会話=自分が話すこと」と思いがちですが、信頼される人・モテる人・仕事で評価される人に共通するのは、例外なく「聞き上手」な点です。聞き上手とは、ただ黙って話を聞くのではなく、「相手に興味を持って聞く」「途中で口を挟まない」「相手の反応に共感を示す」といった積極的な姿勢のことを指します。
たとえば友人が「最近、仕事が忙しくてつらい」と話してきたとき、「それ、わかる〜!」と被せるより、「そっか、忙しいんだね。どんな仕事が重なってるの?」と掘り下げたほうが、相手は「この人、ちゃんと自分の話を聞いてくれてる」と感じます。聞きながら、自分の次の発言を考えてしまう人も多いですが、それでは“上の空”と見抜かれます。真剣に聞く姿勢は、言葉以上に態度で伝わるのです。
また、会話中に相手の話を遮らないことも重要です。つい「それってさ〜」と割って入ってしまいがちですが、これは“損する話し方”の典型です。相手が話し終わってから、自分の意見や感想を伝えるだけで、ぐっと好印象になります。話しながらうなずく、相づちを打つ、「そうなんだね」と共感を見せる。この繰り返しで、会話は“キャッチボール”になります。
さらに、聞くことには相手の感情を受け止める効果もあります。人は、ただ話すことで気持ちが整理され、安心します。アドバイスや意見を求めているわけではなく、「ただ聞いてほしい」だけの場合も多いのです。そこを見誤って話を“奪う”と、逆に距離が生まれてしまいます。
聞くことは、特別なスキルではありません。ちょっと意識を変えるだけで、誰でも今日からできる「信頼の貯金」です。大切なのは、話すことよりも、“どう聞くか”。この姿勢だけで、あなたの印象は驚くほど変わります。
多くの人は会話中にあいづちを打つことで「ちゃんと聞いていますよ」とアピールしようとしますが、実はその打ち方ひとつで相手に与える印象は天と地ほど変わります。たとえば「なるほど」「へぇー」「そうなんですね」を繰り返すだけでは、むしろ相手に“適当に返事してる?”と感じさせてしまう可能性があります。特に「なるほど」を多用すると、相手に「話を早く終わらせたいのかな」という無言のプレッシャーを与えかねません。
では、どうすれば“質の高いあいづち”が打てるのでしょうか?効果的なのが「オウム返し」と呼ばれるテクニックです。たとえば相手が「最近、仕事でうまくいってなくてさ」と言ったら、「うまくいってないんだね」と一部を繰り返す。これだけで、相手は“ちゃんと聞いてくれてる”と実感します。また、「そっか、それは大変だったね」など、感情に寄り添う言葉を添えると、さらに効果的です。
また、あえて言葉を挟まず「うん、うん」とうなずくだけの時間も重要です。言葉がないと不安になる人も多いですが、実際には“静かな共感”が信頼を深める場面も少なくありません。特にカウンセラーなどの対話のプロは、話の9割以上を聞くことに徹していると言われています。それほど“沈黙を受け止める力”は大切なのです。
さらに、あいづちには“間”も重要な要素です。相手が話し終わるまで待ってから、「なるほど、それは…」とゆっくり反応するだけでも、言葉の重みや信頼感は増します。逆に、反射的に「あ、わかるー!」と返すと、“ちゃんと聞いてた?”と誤解を招くこともあります。
あいづちは、「数を打てば当たる」ではなく、「一打に想いを込める」が正解です。毎回の反応にひと手間かけるだけで、あなたの会話力は一段階上がります。相手の気持ちを理解し、丁寧に返す。それが、得する話し方の基本です。
私たちは日常的に無意識で言葉を使っていますが、その“ひとこと”が相手の気分を大きく左右するという事実を、多くの人は見逃しています。たとえば「どうせ無理」「だけどそれってさ」「でも〜」など、否定や悲観を含む言葉は、相手にとってストレスになります。一方、「きっと大丈夫」「そういう見方もあるね」「それ、面白そう」といった前向きな表現は、安心感と希望を与えます。
ポジティブな言葉を使う最大のメリットは、「一緒にいて気分がいい人」と思われることです。これは恋愛でも仕事でも同じで、周囲の人間関係を良好に保つ決め手になります。言葉には“感情”が乗るため、ポジティブな言葉を使うだけで、自然と自分自身も明るくなります。実際、「言霊(ことだま)」という言葉があるように、発した言葉は自分自身にも強く影響するのです。
たとえば、誰かに何かを頼まれたときに「しょうがないですね…」と渋々引き受けるのと、「わかりました、やってみます!」と明るく返すのとでは、相手の受け取り方も、あなたへの印象も全く違います。ポジティブな言葉は、人の感情を前向きに動かし、人間関係に潤いを与えます。
また、言い換えテクニックも非常に効果的です。「どうせ」→「きっと」、「すみません」→「ありがとう」、「逆に」→「それで言うと」など、ほんの少しの違いが大きな印象差になります。たとえば「すみません、手伝ってもらえますか?」を「ありがとうございます、助かります!」に変えるだけで、相手も気持ちよく動いてくれます。
ポジティブな言葉を習慣化するには、自分がよく使っている“否定ワード”を紙に書き出し、ポジティブな代替表現に置き換えてみると効果的です。最初は違和感があるかもしれませんが、続けていくうちに自然と口から前向きな言葉が出るようになります。
ポジティブな言葉選びは、思いやりの表現でもあります。相手の気持ちに寄り添い、自分自身も前向きになる。この好循環が、人間関係を確実に好転させてくれるのです。
会話中は、相手の目を見る・うなずく・表情を合わせるなど、ノンバーバル(非言語)なリアクションを意識的に取り入れましょう。スマホやパソコンを見ながら話すのは厳禁で、話す相手だけに集中する環境づくりが大切です。
また、相手の話を途中で遮りそうになったときは、すぐに口を開かずに3秒間だけ“間”を置いてみてください。その数秒が、自分の主張より相手の気持ちを優先するブレーキになります。聞きながら浮かんだ自分の意見やアイデアは、メモ帳にサッと書いて後から伝えることで、相手の流れを乱さずに会話を円滑に進めることができます。
「疲れちゃってさ〜」「あ、疲れたんだね」「雨で出かけるのやめたよ」「そっか、雨だったもんね」と、相手の言葉の一部を繰り返すだけで、ぐっと親密な空気になります。全く同じ言葉でなくても、キーワードだけを拾って返すだけでも効果があります。
また、話の合間に“うんうん”と頷くだけでも、相手は安心感を覚えます。さらに「なるほど」「そうなんですね」などのあいづちを使う際は、回数を抑え、感情を込めて丁寧に返すよう心がけましょう。「聞いてくれている」と思わせるには、テンポや表情もセットで伝えることが大切です。
日常で無意識に使っているネガティブな言葉を、自分でリストアップしてみましょう。「どうせ」「でも」「無理」「大変だな」などがよく出てくる人は、まず“ポジティブ変換集”を作って机やスマホのメモに貼っておくのがおすすめです。たとえば「どうせ無理」→「やってみないとわからない」、「でもね」→「そうだね、とはいえ」などの変換を意識的に取り入れましょう。
最初はぎこちなくても、言い換えが習慣になると、自然と前向きな言葉が口から出るようになります。また、周囲の人が前向きな言葉を使っているときに気づいたら、その表現をメモしてストックすることで、自分の語彙がどんどんアップデートされていきます。
実生活の会話でありがちな失敗と、それを避けるための具体的な「言い換え」や姿勢が多数紹介されており、日常ですぐ実践可能です。家庭、仕事、友人関係など、幅広い場面に対応したアドバイスが掲載されている点も高評価の理由です。ただし「理屈ではわかるが実行が難しい」と感じさせるような精神論的部分もあり、やや現実離れしている箇所も散見されます。また、あまりに小手先の印象操作のように感じられるテクニックもあり、汎用性に対して若干の不安を残します。
日常会話を題材とした具体的なシーンを豊富に使っており、誰にでもイメージしやすい構成になっています。「損する話し方」「得する話し方」という対比の構図が明快で、読者が直感的に内容を理解しやすくなっています。会話文形式の解説が多いため、頭に入りやすく、実践のイメージを抱きやすいです。専門用語や抽象概念を使わずに説明されており、読者層を限定しない工夫も見られます。
あくまで「話し方」にフォーカスした内容のため、適用範囲は会話やコミュニケーションに限られます。ビジネスや家庭、恋愛などさまざまな人間関係に応用できる点は評価できます。ただし、日本語話者向けに文化的・社会的背景が強く反映されており、異なる文化圏では通用しづらいと感じる場面もあります。「誰にでも通じる汎用的な原理」というよりは、「日本の空気を読む会話術」に寄っている印象です。
文体は軽快で親しみやすく、ユーモアや語り口調も豊富で、読者の関心を引き続ける工夫がなされています。難しい表現は一切なく、テンポよく読み進められる構成になっています。段落ごとの要点が整理されており、どこから読んでも理解できる設計です。語り口はフレンドリーで、心理的な距離を感じさせず、万人向けに仕上がっています。
心理学やコミュニケーション理論の知見がベースにあるとはいえ、学術的な根拠や出典の明記はほとんどありません。筆者自身の体験談や観察に基づく内容が中心であり、専門的な裏付けには乏しいです。「話し方の専門家」としての経験談は豊富に語られていますが、体系的な理論展開は弱く感じます。カウンセリングに言及している部分もありますが、専門家としての視座よりも体験ベースの語り口にとどまっています。

話し方って、こんなに差が出るんだね…。知らないうちに損してたかも。

わかる。俺も「なるほど」って連発してたけど、ちょっと見直そうって思ったわ。

「聞く」「返す」「ポジティブに話す」って、すごくシンプルだけど大事だね。

うん、テクニックじゃなくて姿勢の問題っていうのがまた深い。まずは今日から実践しよう!
話し方は、あなたの「印象」と「人生」を左右する大切なツールです。難しいテクニックはいりません。ほんの少しの意識と習慣で、あなたの会話はもっと好かれるものになります。“損する話し方”を卒業して、“得する話し方”で人生を少しずつ変えてみませんか?