この記事はで読むことができます。

ねぇTom、最近ちょっと自信なくてさ…。何やっても「自分ってダメだなぁ」って思っちゃうんだよね。

あ〜、わかるそれ。自己肯定感って言うけどさ、そんな簡単に上がるもんじゃないよな。

でもさ、なんか最近読んだ本に「早起きで自己肯定感が変わる」って書いてあって…。

は?早起きで?寝不足になって逆に自己否定しそうだけど(笑)
「努力してるのに結果が出ない」「何をしても自信が持てない」
そんな悩みを抱えていた著者が、「早起き」というシンプルな習慣によって、人生を激変させました。勉強・仕事・気分、すべてが好転する「朝の使い方」とは?脳科学と心理学に裏打ちされた具体的なメソッドをご紹介します。
朝は脳が最もクリアに働く「ゴールデンタイム」。この時間に行動することで「自分で自分を動かせた」という実感が得られ、自信につながります。
夜に頑張るのではなく、朝に集中する。自己効力感を高める朝時間の活用法が、長期的なモチベーションを支えるカギになります。
気合いや根性は不要。心理的なトリガーや環境づくりで、ラクに続く“朝型生活”を手に入れるコツが学べます。

著者 | 塚本 亮 |
出版社 | すばる舎 |
出版日 | 2019年1月13日 |
ジャンル | マインド・心構え |
「やればできる」という感覚は、どんな小さな行動からでも生まれるものです。自己肯定感を高めたいなら、まず“実際に行動する”ことが欠かせません。
そして、それに最も適しているのが、朝の時間です。朝は誰にも邪魔されず、自分の意志で動き出せるチャンス。著者は、高校時代に早起きを始めてから、人生の歯車が確実に噛み合い始めたと語っています。
特に重要なのは、結果ではなく「自分で決めたことを実行した」というプロセスそのもの。人間は、小さな成功体験を積み重ねることでしか、自分への信頼を育てられません。
朝に自分をコントロールできると、「今日も一歩前に進めた」という自信が心に積み重なります。これが、自己肯定感を底上げしてくれるのです。
また、朝の5分間でも何かに集中して取り組むことで、その後1日中ポジティブな感覚を維持しやすくなります。朝の行動が、その日一日を決定づけるといっても過言ではありません。しかも、これは才能や特別な能力に依存しない、誰にでもできる変化です。
夜に努力しようとするよりも、圧倒的に少ないエネルギーで自分を動かせるのが朝。自己肯定感が低いと感じるなら、まず「朝に動けた自分」を毎日褒めることから始めましょう。その積み重ねこそが、未来を大きく変える第一歩になります。
夜に頑張ろうとすると、どうしても脳が疲弊していてパフォーマンスが落ちがちです。学校や仕事を終えた後の夜は、意志力も集中力も底をついている状態。そんな中で勉強や自己成長に取り組もうとするのは、かなり無理があるのです。
逆に、朝は睡眠によって脳がリセットされ、フレッシュな状態になっています。著者自身も、夜中に参考書を開いても全く頭に入らなかったのに、朝に勉強するとたった5分で何ページも理解できたと驚いています。
科学的にも、起床後2〜3時間は脳の生産性が最も高い「ゴールデンタイム」であると証明されています。この時間帯に集中して作業することで、少ない努力で大きな成果を出せるのです。
さらに、朝型に切り替えると、自然と生活全体のリズムも整っていきます。早寝早起きの習慣は、体調管理にも好影響を与え、日中の集中力を支える基盤になります。そして朝は、SNSや連絡に邪魔されることもほとんどありません。まさに「自分だけの黄金時間」と言えるでしょう。
夜型生活では生まれなかった「余裕」や「満足感」が、朝型になるだけで得られるのです。著者が偏差値30台から同志社、そしてケンブリッジ大学院まで進めたのは、間違いなくこの“朝時間”の力があったからだと言えます。夜に頑張るのではなく、朝に賢く動くこと。それが成果を出すための最大の近道なのです。
早起きを成功させるには、気合いや根性では続きません。むしろ、「どうすれば自然と起きたくなるか」という仕組みづくりが重要です。
著者が実践しているのは、「快の追求」というアプローチ。例えば、朝起きたら必ずお気に入りの紅茶を飲むというルーティンを設けることで、脳に「起きる=楽しい」という条件付けをしています。これは心理学でも「オペラント条件付け」と呼ばれる非常に効果的な方法です。
また、早起きできたら卓上カレンダーに○をつけるなど、目に見える形で達成感を積み重ねる工夫も紹介されています。この「見える化」が、モチベーションの持続に大きく役立つのです。
さらに、「オンライン英会話を朝6時に予約する」など、他人との約束を絡めることで、サボれない仕組みを作るのもポイント。人は自分との約束より、他人との約束を守ろうとする心理が強いからです。
このように、早起きを「頑張る対象」ではなく、「自然にできる環境」に変えてしまうのが成功のカギ。寝る前にスマホを手放す、アルコールを控えるなど、前日の仕込みも重要になります。そして何より、失敗しても落ち込まず、また仕組みを見直して続ける柔軟さも忘れてはいけません。誰でもラクに続けられる早起きは、「仕組み次第」で実現できるものなのです。
まずは朝に「5分だけやること」を決めて、それを毎日こなす習慣をつけましょう。たとえば、1ページだけ本を読む、簡単な英単語を3つ覚えるなど、達成しやすい内容が理想です。大事なのは“続けること”であり、完璧を目指す必要はありません。「今日もやれた!」という実感が、日々の自己肯定感を底上げしてくれます。
夜に無理して頑張ろうとせず、体と心を休める時間として扱いましょう。軽いストレッチや湯船に浸かるなど、リラックスできる行動をルーティンにすると、翌朝の目覚めがスムーズになります。夕方以降はカフェインやスマホを控えると、睡眠の質が上がります。「夜は回復、朝は前進」と意識を切り替えることが鍵です。
「これが楽しみで起きる!」という朝のご褒美を用意しましょう。たとえば、お気に入りの紅茶を飲む、好きな音楽をかける、散歩に出るなど、心が弾むことを取り入れます。ご褒美があるだけで、「起きること=快感」に変わっていきます。朝時間を「頑張る時間」ではなく、「楽しむ時間」に変えることで、習慣化がグッとラクになります。
本書は早起きによる学習・生活の質向上について、著者の実体験や生徒の事例を交えて丁寧に解説しており、すぐに取り組める内容が多く含まれています。早起き習慣を定着させるための具体的なメソッドや環境設定の工夫も豊富です。ただし、内容の多くが「早起き」に集中しており、職種や生活スタイルによっては活用が難しい面もあります。万人に通じる万能な方法とは言い切れない点が減点理由です。
エピソード形式で話が展開し、話し言葉に近い文体で読者との距離が近く、すらすらと読めます。心理学の専門用語も例を交えて説明されており、難解さは感じません。章立ても明確で、どこから読んでも理解しやすい構成になっています。特に「トリガー」や「メソッド」の分解が効果的です。
「朝に強い人向け」「自律的に動ける人向け」という前提が多く、夜勤者や子育て中の親などには再現性が乏しい可能性があります。環境や体質、職種によって効果の出方が大きく異なる点がネックです。また「早起きこそ万能」という主張に傾いており、他のライフスタイルに対する配慮がやや欠けています。
テンポが良く、語り口も親しみやすくて読みやすい構成です。実話ベースで感情移入しやすい反面、やや冗長で似たような主張の繰り返しが多く、中盤以降で飽きを感じる読者もいるかもしれません。構成をもう少しコンパクトにしても伝わる内容です。
心理学や脳科学の知見に基づいた記述が一部見られますが、学術的な裏付けが薄く、あくまで体験談を中心とした「自己啓発本」の域を出ません。専門性は高くないものの、日常に取り入れやすいノウハウとしては十分です。論文や研究の引用がもう少しあれば信頼感が増したでしょう。

ねぇ、読んでみて思ったんだけど…「早起きで自信つく」って、本当だったんだね。

うん。俺も最初は信じられなかったけど、「朝やれた」ってだけで気持ちが違ってくるんだよね。

自分をコントロールできてる感じが、なんか嬉しくなるんだよね。最初の一歩は小さくてもいいんだなぁ。

よし、明日は5分だけでも「自分のための朝時間」作ってみようかな。
「どうせ自分には無理」と思っていた日々は、ほんの少しの朝時間で変えられます。自己肯定感を高めたい人こそ、“朝”を味方につけてみてください。