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ねぇTom、まだうちの子1歳だけど、将来本を好きな子になってくれるかなぁってちょっと気になっててさ。
わかる。最近「小学生になっても読書が苦手な子が多い」ってニュース見たし、今からできることあるのかなって思うよね。
本棚も用意してるし、絵本の読み聞かせもしてるんだけど…このままでいいのかなぁって不安になることもある。
実はこの前読んだ資料で、読書好きな子って“親の関わり方”とか“家の雰囲気”がすごく影響するって書いてあったよ。
へぇ～！無理に「本を読ませる」とかじゃなくても、親の態度や環境次第で自然に本が好きになるんだね。
そうそう。「読め」って言われたら嫌になるけど、親が楽しそうに読んでたり、本が身近にあると、子どもも自然と興味を持つらしい。
それなら今からでもできそう。絵本を読む時間をもっと大事にしようかな。
「本を読ませたいのに、まったく読まない…」そんな悩みを抱える保護者は少なくありません。でも実は、読書を好きになるかどうかは“センス”や“性格”ではなく、日常の環境や親の関わり方で決まることが多いのです。
今回紹介する内容では、読書を習慣化するうえで大切な考え方や、子どもが本を「好き」と感じる家庭の工夫を紹介しています。
「読書は大切」とわかっていても、どう接していいかわからない――そんな親御さんに向けて、無理なく本好きになる“家庭の習慣術”をわかりやすくお伝えします。
読書は“やらせるもの”ではなく、親の関わり方や環境づくりによって自然に身についていきます。子どもが「楽しい」と思える読書体験を積み重ねることが大切です。
「本を読みなさい」は、逆に読書嫌いを育ててしまうこともあります。読書を強制せず、興味を引き出す工夫が必要です。
親子で一緒に本を楽しむ時間や、自然に本とふれられる環境づくりが効果的です。日々のちょっとした工夫で、読書好きな子どもに近づけます。
| 著者 | 中根 克明 |
| 出版社 | すばる舎 |
| 出版日 | 2016年12月14日 |
| ジャンル | 子育て・教育法 |
子どもが読書を好きになるには、「読書＝楽しいもの」と感じる体験が欠かせません。なぜなら、人は楽しかったことに対して自然と“もっとやりたい”という気持ちを抱くからです。本書では、読書習慣がある子どもほど、小さな頃から“読書にポジティブな印象”を持っていると説明されています。
親子で笑いながら読んだ絵本、寝る前の安心する読み聞かせ――そんな体験が子どもにとっての「読書の原点」になります。逆に「本を読みなさい」と言われるだけでは、読書は“やらされるもの”として義務的になってしまいます。
私自身、子どもの頃に親が楽しそうに読んでくれた本の内容は今でも覚えています。「本を読んだらご褒美」よりも、「読んだら楽しかった」の方が記憶にも感情にも残りやすいのです。
つまり、本を楽しむ体験が、読書へのハードルを下げ、習慣化の第一歩となるのです。この“楽しい”の積み重ねが、「読むのが当たり前」という感覚を育ててくれます。まずは、「楽しかったね」と一緒に笑える1冊を見つけることから始めましょう。
「本を読みなさい」と言えば言うほど、子どもは読書から離れてしまうリスクがあります。なぜなら、子どもは“やらされる”ことに対して強い拒否反応を示す傾向があるからです。本書では、親が意図せず“本嫌い”を育ててしまう典型的なパターンとして、「義務的な声かけ」が挙げられていました。
たとえば、テレビを消させて「今から30分読書しなさい」と言われても、楽しさは感じられません。それどころか、読書＝退屈・怒られる前にやること、という印象がついてしまいます。
私たちも、大人になっても“やれと言われたこと”より“自分がやりたいと思ったこと”の方が続きますよね。読書も同じで、子どもの“主体性”を引き出す関わり方がカギになります。「こんな本あるけど、一緒に読んでみる？」といった選択肢を与えるだけで、印象は大きく変わります。
また、親が自分で本を読んでいる姿を見せることも、「読書って当たり前なんだ」と思わせる強いメッセージになります。読書は“押しつける”ものではなく、“寄り添いながら誘う”ものだという意識が大切です。
読書を習慣にするためには、“特別な時間”ではなく“日常の一部”にしてしまうことが効果的です。なぜなら、読書が「特別な行為」になっている限り、子どもにとっては気合いが必要になってしまうからです。本書では、読書習慣のある家庭ほど、「本が自然に目に入る環境」や「気軽に手に取れる雰囲気」が整っていると指摘されています。
たとえば、子どもの目線の高さに本棚を置いたり、リビングに何冊か絵本を置いておくことで、手に取りやすくなります。また、「おやすみ前の10分間は本の時間」など、決まったルーティンにすると、読書が生活に自然と溶け込みます。
私も、寝る前に読み聞かせをする時間を習慣にしてから、子どもが自分で本棚から本を取り出して私のところへ渡してくれるようになりました。読書を“特別な課題”として扱うのではなく、“日常のやさしいひととき”として位置づけることが大切です。
さらに、親が読む本を子どもと共有したり、「今日はママが読んでたこの本ね」と話すだけでも、本が話題になります。生活に「本があるのが普通」という状態をつくることが、自然な読書習慣を育てます。つまり、読書は“頑張ってやるもの”ではなく、“日常の中で当たり前にふれるもの”にすることが、継続のポイントなのです。
毎日の読み聞かせを、「内容を理解させる場」ではなく「親子で楽しむ時間」として過ごしてみましょう。笑ったり驚いたり、感情を共有することで、子どもは読書を“特別な体験”として記憶します。読んだあとには「どこが面白かった？」と話すだけでも、“本って楽しい”という気持ちが育ちます。
「○分読んだら○○していいよ」といった強制的な関わりではなく、「今日はこの本にしようか」「ママも気になる本だな」など、共感をベースにした声かけを心がけましょう。読書の主導権を“子ども自身”に戻すことで、自発的に手を伸ばすきっかけになります。「どれにする？」「読み終わったら教えてね」など、軽やかな促しが効果的です。
リビングや寝室など、日常的に過ごす場所に本を置いておくことで、読書が身近になります。また、「おやすみ前の10分」「朝食後の5分」など、毎日のルーティンの中に“読書の時間”を組み込んでみましょう。さらに、図書館や書店に一緒に出かけて「自分で選ぶ体験」を積ませることで、子どもは本に対して主体的になります。
日々の子育てや教育にすぐに役立つ具体的なアドバイスが豊富で、実践しやすい内容が多いです。特に読書習慣の作り方や、学習への姿勢に関する提案は、家庭で簡単に取り入れられるものが中心です。ただし、保護者の時間的・精神的余裕が必要な点も多く、すべてを実践するのは家庭によって難しいことも。一部の事例は理想論的に映る部分もあり、現実的な制約を踏まえると満点は控えました。
平易な言葉で書かれており、親しみやすく、読書経験が少ない保護者でも理解しやすい文体です。抽象的な話題にも具体例が添えられていて、納得しながら読み進められます。対話形式やエピソードの挿入も多く、場面がイメージしやすい工夫が随所にあります。著者の語り口が温かく、一貫して読者に寄り添う姿勢が感じられる点も大きな強みです。
主に小学校低学年の子どもを持つ家庭を対象としているため、読者層はやや限定されます。教育観や家庭環境によっては共感できない内容もあり、万人に等しく適用できるとは限りません。また、作文教室という著者の専門性が背景にあるため、他教科や特殊事情には直接役立ちにくい面もあります。ただし、「読書習慣」や「遊びの重要性」といった核心部分は、ある程度どの子育て家庭にも通じる内容です。
文章が簡潔で、構成にも無理がなく、読書が得意でない人でもストレスなく読了できる分量です。小見出しや章立ても整理されており、途中から読んでも内容が把握しやすくなっています。著者の体験談や比喩が豊富で、内容に共感しやすく、感情的な負担を与えない工夫が見られます。全体を通してトーンが一貫しており、落ち着いた読書体験が得られます。
教育実践の中から導かれた知見は信頼できるものの、学術的・科学的な裏付けは少なめです。著者の経験に基づく主張が多く、研究データとの比較や他の専門家の視点はあまり登場しません。そのため、専門書というよりは教育エッセイに近く、理論的な議論を求める読者には物足りないかもしれません。ただし、実地に根差した知見には説得力があり、特に作文や読書教育に関する提言は深みがあります。
読書って、“読ませること”だと思ってたけど、違うんだね。
うん、読む前に“楽しい記憶”があるかどうかが大事って気づいたよ。
たしかに、親子で笑いながら読んだ本って、子どももすごく覚えてるもんね。
あとは“読みなさい”って言わないこと。声かけもすごく大事だと思った。
これからも、寝る前の読書タイムをしっかり楽しむ時間にしてみよう。
うん、続けていけばきっと「本って楽しい」って思ってくれるよね。
読書好きな子どもは、「読まされた」記憶ではなく、「一緒に楽しんだ」記憶を持っています。今日からの“ひと言”と“習慣”が、子どもの未来の読書人生をつくります。
