【書評】大学生のうちにしかできないこと|今を有意義に過ごすシンプルな方法(大学生活を極める55のヒント)

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Mam
Mam

ねぇTom、友達の甥っ子が、「時間はあるけど、何したらいいか分からない」って悩んでてさ。

Tom
Tom

あー、それわかるわ…。大学生活って自由すぎて、かえって何もせずに終わっちゃいがちなんだよね。

Mam
Mam

そうそう。私も当時はバイトとかでなんとなく過ごしてたかも(笑)

Tom
Tom

僕も最初はそんな感じだった。でもある時、「この時間って二度と戻ってこない」って気づいて、使い方を変えたんだ。

Mam
Mam

え、それで何を始めたの?

Tom
Tom

例えば、興味がある授業には“とにかく飛び込んでみる”とか、教授に話しかけてみるとかね。ちょっとした行動が、思ってた以上に面白い展開につながったりしてさ。

Mam
Mam

たしかに…社会人になると、時間が自由に使えるって本当に貴重なことだったって気づくよね。

大学生活は自由で、時間もあって、選択肢も多い。でもその反面、「何をすればいいかわからない」「毎日がなんとなく過ぎていく」――そんな不安を抱える大学生も多いのではないでしょうか?

この記事では、実際に京都大学で学生生活を送った著者の体験をもとに、大学生の今だからこそできる行動や、人生の土台になるような経験の積み方を紹介します。

特別なスキルも計画もいりません。必要なのは、少しだけ行動を変える“きっかけ”です。

この記事で分かること
  • 大学生活が「なんとなく」になってしまう理由がわかります
    自由すぎる時間と目的のあいまいさが、充実感を奪う原因になっています。意識を少し変えるだけで、過ごし方の質は大きく変わります。
  • 大学生のうちにしかできない“価値ある体験”の見つけ方がわかります
    大切なのは、特別なことをするより「今の環境をどう使うか」です。授業・出会い・失敗――すべてが“後から効く”経験になります。
  • 有意義な大学生活に変えるためのシンプルな行動習慣が学べます
    行動を変えるのは難しくありません。ちょっとしたきっかけや視点の転換で、“何気ない日常”が人生の財産に変わります。

参考書籍の概要と評価

著者

板野博行

出版社

大和書房

出版日

2015年6月22日

ジャンル

大学・大学院生の悩み

実用性
( 特別なノウハウではなく、“体験から得た気づき”がベースなので、誰でもすぐに応用しやすいです)
 (5)
分かりやすさ
(難しい表現はなく、エピソードも豊富で読みやすく、読者の共感を引き出す構成です)
 (5)
汎用性
(京大生の体験記ではありますが、他の大学生にも広く通用する「普遍的な問いかけ」が多く含まれています)
 (4)
読みやすさ
(軽快な語り口とユーモアがあり、スキマ時間でもサクッと読めるボリューム感です)
 (4)
内容の専門性
(学術的な話ではなく、あくまで個人の実体験と人生観に基づいた“読み物”として楽しめます)
 (4)

私が選んだ本書のポイント3点

始めに『大学生活を極める55のヒント』の3つポイントを、以下1枚の図解で説明します。

以下の項目で、詳しく解説していきます。

主要ポイント1:「授業は退屈」ではなく、“選び方”と“関わり方”で変えられる

大学の授業はつまらないと思われがちですが、それは“興味がない講義”をただ受けているからかもしれません。なぜなら、大学には一般的な講義のほかにも、実験型、ディスカッション型、少人数ゼミなど、自分次第で選べる学びが数多くあるからです。本書では、著者が「とりあえず面白そう」と思った授業に飛び込んだ結果、そこで出会った教授との会話が人生の転機になったと書かれていました。

たとえば、「国際会議に学生を連れて行く」というような、一見自分に無縁と思えるテーマの授業にも関わらず、参加したことで世界の広さを実感したそうです。その経験から、「授業の面白さは“受け身”ではなく“関わり方”にある」と気づき、それ以降、講義の選び方も変わったと語っています。

私自身も、大学時代に外部講師の授業を受けたことで、考え方や価値観が一気に広がった経験があります。どんな授業にも「自分の人生とどうつながるか?」という問いを持って臨むだけで、吸収できる情報の質がまるで変わります。

また、教授に声をかけたり、授業後に感想を伝えるなど、少し踏み込んだ関わりが次のチャンスにつながることもあります。“面白い授業を探す”のではなく、“自分の関わり方を変えてみる”という視点が、大学の学びを深める大きなカギになります。つまり、授業の価値は教授次第でもカリキュラム次第でもなく、自分の参加の仕方でいくらでも変えられるのです。

主要ポイント2: 「変な人」との出会いが、価値観を揺さぶってくれる

大学生活で得られる最大の財産の一つが、“多様な人との出会い”です。特に、「ちょっと変わった人」と関わることは、価値観を揺さぶり、自分の枠を広げてくれます。著者は、サークルやアルバイト先で「一見、常識から外れた人たち」に多く出会い、そのたびに刺激を受けたそうです。

たとえば、授業には一切出ないのに本を読みまくって哲学談義をする友人や、極貧生活でも演劇活動に人生を懸ける仲間など。そうした人たちとの会話を通じて、「正解のない生き方」に触れることで、自分の中にあった“型”が壊れていったといいます。

学生時代は、社会的な評価や枠組みから少し外れた世界をのぞける貴重なタイミングです。私自身、部活動で行った合宿で、夜通し語り合ったあの感覚は今も忘れられません。正直、就職活動では役に立たなかったけれど、“生きるってこういうことかもしれない”と思えた経験でした。

安全圏から一歩出ることで、思考の幅はぐっと広がります。つまり、「変な人」との出会いは、大学生だからこそ味わえる“自由の醍醐味”だと思います。

主要ポイント3:お金がない中での創意工夫が人生のスキルになる

お金がない、時間はある――それが大学生の特権です。なぜなら、「ないからこそ考える」状況にこそ、本当の創造力が育つからです。著者は、貧乏学生としての生活を通じて、「お金をかけずにどう楽しむか」に全力を注いだと語っています。

たとえば、旅費を浮かせるためにヒッチハイクをしたり、学食だけで一ヶ月を乗り切るチャレンジをしたり。一見すると無謀にも思えますが、その中にある“知恵と工夫”は、社会に出てからも活きるスキルだと気づかされたそうです。

また、限られたお金で本を選ぶときの“選択力”や、“物を大切に使う習慣”も、浪費のない生活習慣につながっていったとのこと。私も学生時代、本屋や図書館をハシゴして一冊ずつ読み込んでいた経験が、今の読書好きの土台になっていると感じます。

お金がないからこそ、知恵と工夫で“濃い時間”を過ごせる。つまり、制限があるからこそ生まれるアイデアや経験が、将来の“生きる力”になるのだと思います。

3つのポイントに対するアクションプラン

先ほど紹介した3つの主要ポイントに対して、アクションプランを提示します。

  • 「退屈な授業」にも自分なりの問いを持って臨む
    興味が持てない授業でも、「なぜこのテーマが存在するのか」「教授は何を伝えたいのか」と問いながら受けてみましょう。内容そのものより、そこにある背景や構造に目を向けることで、自分なりの学びが見えてきます。“受け身”から“観察者”へ、意識を一段階上げることがポイントです。
  • あえて“ちょっと変な人”に話しかけてみる
    サークルや授業で「この人、ちょっとクセ強そう…」と思った人こそ、話してみる価値があります。普段とは違う価値観に触れることで、視野が広がり、自分の考えにも柔軟性が生まれます。居心地のいい人間関係だけでなく、“未知との遭遇”に一歩踏み出してみましょう。
  • お金がないなら、ないなりの“楽しさ”を探す
    制限を嘆くのではなく、「どうすれば楽しめるか?」に頭を使いましょう。古本屋、無料イベント、自炊生活、旅の工夫――大学生のうちに“知恵で楽しむクセ”を身につけることで、将来どんな状況でも前向きに生きる力が養われます。楽しさは、お金よりも「工夫」から生まれます。

本書の良かった点・悪かった点

良かった点

  • “正解”を押しつけない語り口で、等身大の大学生活が描かれており、読者も自分に引き寄せて考えやすいです
  • 授業の受け方、人との関わり方、日常の工夫まで、普段見過ごしがちな時間の価値を丁寧に掘り起こしています
  • 特別な行動ではなく、「ちょっと意識を変えるだけで世界が変わる」ことを具体的に示してくれます

悪かった点

  • 学びの本質は普遍的ですが、特定大学の生活に偏っていると感じる読者もいそうです
  • 考え方や価値観を重視する内容なので、「すぐできる〇〇法」を求める人には刺さりにくい可能性があります
  • 導入部で「悩んでいる読者の代弁」が少し強まると、より読者に響きやすくなるかもしれません

まとめ

Mam
Mam

なんかさ、大学時代のことって、思い返せばあの時間が一番“自由に考えられた”時期だったかも。

Tom
Tom

ほんとにそう。今みたいに効率とか損得ばっかりじゃなくて、無駄なこととか、意味わからないことにハマれたのって貴重だったな。

Mam
Mam

「変な人と出会う」っていうのも、確かに学生時代だから許されたことかも(笑)

Tom
Tom

うん。あの頃の出会いや発想って、あとあと“自分らしさ”の核になってる気がする。

Mam
Mam

今の大学生たちも、うまくやろうとしすぎずに、もっと“混ざりにいって”ほしいね。

Tom
Tom

そうそう。「何やるか」より、「どう向き合うか」ってことを、伝えたいなって思うよ。

大学生活は、“正解”を探す時間じゃなく、“問い”と出会うための時間。今この瞬間だからこそ味わえる自由を、大切にしてみてください。

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