この記事はで読むことができます。

ねぇTom、最近甥っ子が小学生になったんだけど…全然勉強しなくて困ってるって妹が嘆いててさ。

あぁ、それはよくある話だね。特に低学年のうちは“勉強=イヤなこと”ってイメージがつきやすいんだよね。

「宿題やった?」「机に向かいなさい!」って言えば言うほど逆効果らしくて…それでつい親もイライラしてしまうって。

それ、うちの姉もまさに同じだったよ。でもね、「勉強しなさい」って言わずに子どもが自分から勉強するようになった方法があるらしいんだ。

え、それすごいじゃん!どうやって?何か特別な教育法とか使ったの?

いや、特別なことはしてなくて、「親の関わり方」と「家庭の習慣づくり」を少し工夫しただけなんだって。
「何度言っても、子どもが勉強しない…」「やる気がないわけじゃないのに、なぜか机に向かわない…」そんな悩みを抱える保護者の方へ。
この記事では、子どもが“自ら学びたくなる”親の関わり方と、家庭でできる習慣づくりについてわかりやすく紹介します。“勉強しなさい”と言わなくても、学ぶことが好きな子は育てられます。
- 子どもが勉強を嫌いになる理由がわかります
「やらされ感」や「評価されることへの不安」が、学ぶこと自体を遠ざけてしまいます。親の言動ひとつで、子どもの意欲は簡単に左右されます。 - 学ぶ楽しさを育てる家庭の習慣がわかります
知的好奇心を刺激する会話や、勉強に直結しない「知る喜び」が土台になります。毎日の生活に学びの種を仕込むことが、将来の学力に繋がります。 - 親が子どもにできる具体的な関わり方がわかります
「教える」より「一緒に考える」姿勢や、肯定的な声かけが子どもを安心させます。信頼関係の上にこそ、自主的な学びは育ちます。
著者
佐藤智
出版社
ディスカヴァー
トゥエンティワン
出版日
2023年2月17日
ジャンル
小・中・高校生の悩み
(家庭ですぐに取り入れられる習慣や声かけの工夫が豊富です)
(教育の専門知識がなくても理解しやすい平易な言葉で書かれています)
(小学生に限らず、未就学児や中学受験前の子どもにも応用可能です)
(章ごとにポイントが整理されており、スキマ時間でも読み進めやすい構成です)
(SAPIX式の教育方針に基づいていますが、専門的な理論より実践重視の内容です)
始めに『SAPIXだから知っている頭のいい子が家でやっていること』の3つポイントを、以下1枚の図解で説明します。
以下の項目で、詳しく解説していきます。
子どもが勉強を好きになるには、「学ぶって面白い!」という体験が何より大切です。なぜなら、興味や好奇心から始まった学びは、強制されなくても自分から続けられるからです。本書では、クイズや図鑑、日常の出来事をネタにして親子で会話することで、学びを“遊び”の延長にする工夫が紹介されていました。
たとえば、スーパーでの買い物中に「100gあたりいくら?」「この商品はどこの国から来たのかな?」といった声かけをするだけで、算数や社会の視点が自然と入ってきます。こうした日常の中の問いかけは、子どもの「なんで?」「どうして?」を刺激し、自分で調べたり考えたりするきっかけになります。
また、学校の勉強に直結しなくても、「知っていて楽しい」「話したくなる」内容に触れることで、“知識が自分の武器になる”という感覚も芽生えます。私も、友達と「この雲の名前って知ってる?」という会話から天気図に興味を持った経験があり、知識って身近で楽しいものなんだと感じました。
勉強=我慢というイメージがついてしまうと、その後の学習意欲にも大きな影響を与えます。逆に、学ぶことそのものがワクワクする体験になれば、子どもは自然と机に向かうようになります。つまり、「楽しい」が先にある学びこそが、長く続く“勉強好き”の土台をつくるのです。
子どもに勉強を教えるとき、正解をすぐに言わず、一緒に考える姿勢がとても大切です。その理由は、「わかったふり」ではなく「わかるまでの道のり」を体験させることが、思考力や粘り強さを育てるからです。本書では、「教えすぎない親」の関わり方が、多くの“考える子”を育てていると紹介されていました。
たとえば、子どもが算数の問題でつまずいているときに、「ここが間違ってるよ」ではなく「どうやって考えたの?」と聞くことで、思考のプロセスを言語化させることができます。このような問いかけは、子どもが自分の頭で整理し直す力を育てるうえで非常に効果的です。
また、親が“正解を持っていない存在”として寄り添うことで、子どもにとって安心感が生まれます。正解を先回りして教えるのではなく、「これってどう思う?」と投げかけることで、子どもの話す量が増え、自信もついていくようになるかもしれもません。
学力の差は、知識の量ではなく「考える力の差」だというのは、SAPIXの教育現場でもよく言われることだそうです。だからこそ、家庭で「問い」を大切にする関わり方が、学びの質を変えていきます。結論として、「一緒に考える親」がいる環境こそが、本当に頭のいい子を育てる土壌なのだと思います。
子どもの学習意欲は、親からの何気ない声かけ一つで大きく変わります。なぜなら、子どもは大人以上に「認められたい」「見てもらいたい」という気持ちを持っているからです。本書では、「結果よりも過程を褒める」「努力したことに注目する」といった声かけが、子どもの自己肯定感とやる気を高める鍵になると書かれていました。
たとえば、「100点すごいね!」ではなく「ここ、頑張って考えたんだね」と伝えることで、子どもは“結果より自分の工夫”に価値を感じるようになります。こうした声かけが、「どうせダメだしされるからやらない」から「やってみたい」に気持ちを変えていきます。
また、叱るときも「なんでできないの?」ではなく、「どうしたらうまくいくと思う?」と投げかけることで、建設的な対話が生まれます。私自身も、子供はまだ1歳ですが「頑張ってるね」のひと言を習慣にするだけで、子どもの表情が明るくなった感覚がします。
子どもは親の反応を敏感に感じ取っているので、言葉の選び方ひとつで安心感や自信に大きく影響します。日々の積み重ねが、「自分はできる」という自己効力感を育て、それが学ぶ意欲につながっていくのです。つまり、親の声かけは“学力の土台を支える空気”のような存在であり、意識するだけで子どもが変わり始めます。
先ほど紹介した3つの主要ポイントに対して、アクションプランを提示します。
- 日常会話の中で「知るって楽しい!」を仕込む
子どもとの会話にちょっとしたクイズや豆知識を取り入れて、「学ぶ=楽しい」と感じる体験を意識的につくりましょう。買い物中の計算、天気やニュースの話題など、生活の中に知的な刺激を加えるだけで好奇心は自然と育ちます。家庭が“小さな学びの場”になるような声かけを日常に増やしていくことがポイントです。 - 「どう思う?」と問いかけて一緒に考える時間を持つ
子どもが宿題で悩んでいるときは、すぐに教えるのではなく「どこでつまずいてる?」「どんな考え方をした?」と問いかけてみましょう。一緒に考えることで、正解よりも“考える過程”を重視する姿勢が伝わります。親が「わからないことを一緒に楽しむ存在」になることで、子どもは安心して学べるようになります。 - 結果よりも「工夫」や「努力」に注目して声をかける
子どものやる気を引き出すには、「どう頑張ったか」にフォーカスした言葉をかけてみましょう。「ここ、最後までやりきったんだね」「工夫して書けたね」など、プロセスを認める声かけが自己肯定感を育てます。たとえうまくいかなくても、挑戦したこと自体を肯定することで、次も頑張ろうと思える気持ちが芽生えます。
良かった点
- 日常の声かけや環境づくりなど、家庭で手軽に始められる工夫が紹介されており、ハードルが低く感じられました。
- 叱る・指示するのではなく、寄り添いながら成長を促す視点が明確で、親として安心して試せる内容でした。
- 小手先の方法ではなく、“学びを楽しめる子”に育てるという本質が軸になっていて、ブレない教育観に共感しました。
悪かった点
- タイトルに“SAPIX式”とある割に、具体的なカリキュラムや指導内容に関する記述は控えめでした。
- ある程度知識のある読者にとっては、知っている内容が多いと感じるかもしれません。
- もう少し具体的な家庭でのエピソードや“NGな関わり方”もあると、イメージしやすかったです。

いや〜、今日の話めっちゃためになった…。結局、勉強を好きになるかどうかって、親の関わり方次第なんだね。

そうなんだよね。「やりなさい!」って言いたくなる気持ち、すごくわかるけど、それより「楽しい!」って感じさせる方がよっぽど効く。

「一緒に考える」っていうのも響いたなぁ。子どもって、ちゃんと“見てもらってる”って感じると安心するんだね。

そうそう。あと、結果より過程を認めてあげると、自信もついて次につながるしね。
子どもが自然と勉強に向かうのは、才能や性格ではなく「親の関わり方」と「家庭の空気」が育てるもの。“勉強しなさい”と言わずとも、楽しさと安心を届ける関わり方が、未来の学力を支えていきます。