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来月からチームリーダーになっちゃったんだけど、正直めっちゃ不安…。

え、すごいじゃん!でも…たしかに部下育てるとか、想像つかないかも。

そうなのよ。「どう関わるか」とか「信頼されるには」とか、全然わからん…。

俺もリーダー経験ゼロだから、なんとなく“優しく見守ればいい”くらいのイメージしかない…。

けど、優しくしたらなめられそうだし、厳しくしたら嫌われそうでさ。

あ、それ「リーダー迷子」の典型かも。仮面でもかぶっとく?

むしろ仮面フル装備したい。ていうか、リーダーって何すれば正解なの…?
チームを任される立場になったとき、誰もが感じる「正解がわからない」リーダーの悩み。特にプレイヤーとしての経験はあっても、「人を育てる」「信頼される」といった役割になると戸惑うのは当然です。
本記事では、そうした不安を抱えるあなたに向けて、“感情ではなく原則で動く”リーダーのマネジメント術を紹介します。
部下の成長を阻んでいるのは、教え方や能力ではなく、上司自身の“立ち位置のズレ”かもしれません。リーダーとしての関わり方を見直すことで、部下の自走力を引き出せるようになります。
感情に流されず、冷静でブレない判断をするためには、“仮面をかぶる”という意識が有効です。リーダーとしての役割に徹する思考法が、信頼される行動の軸になります。
成果を出すだけでなく、人としても信頼されるリーダーは、ある“3つの視点”を持って行動しています。部下との距離感や成長支援の考え方を学ぶことで、チーム全体が前向きに動き出します。
著者
安藤広大
出版社
ダイヤモンド社
出版日
2020年11月24日
ジャンル
社会人の悩み
(リーダーとして直面する現実に即した行動指針が、すぐに使える形で明示されています。)
(概念を噛み砕いて説明しつつ、ビジネス現場に落とし込んだ言葉選びが秀逸です。)
(ビジネスリーダーに限らず、教育やプロジェクト運営など幅広い分野に応用できます。)
(内容はシンプルですが、1つひとつが濃く、じっくり読み進める姿勢が求められます。)
(経営理論に基づきつつも、理屈よりも現場感を重視しており、専門的すぎずバランスが取れています。)
部下との信頼関係は、性格の良し悪しやフレンドリーさではなく、リーダーとしての立ち位置とルールの運用によって築かれます。リーダーが自らルールを守り、部下に対しても一貫した判断を示すことで、組織の中に「安心して働ける土台」ができます。
たとえば、同じミスでも人によって対応が変わると、「上司はえこひいきする」という印象を与えてしまいます。逆に、誰に対しても公平にルールを適用すれば、「この人の判断は信頼できる」と思われやすくなります。
さらに、リーダーが自分の役割を明確に意識し、部下と一定の距離感を保つことで、「上司と部下」の境界線がはっきりします。仲良くなることが悪いわけではありませんが、「上司としての責任を果たす姿勢」が最も大切です。部下との“近すぎる距離”は、時に判断のブレを生み、チームの混乱につながります。
チームの中で「自分はどの位置に立ち、何をすべきか」を明確にしておくことで、感情に流されず、冷静な判断ができるようになります。信頼される上司になるためには、まずは“自分の立場”を明確に守ることが重要なのです。
リーダーに求められるのは、感情で動くことではなく、組織全体を見据えた冷静な判断です。そのためには、「仮面をかぶる」という意識が有効であると本書では提唱されています。仮面とは、感情を抑えることではなく、「役割としての自分を演じる」ことを意味しています。
たとえば、部下がミスをしたとき、つい怒りたくなる気持ちが湧いてきても、リーダーとしては冷静に「何が原因だったのか」を対話する方が建設的です。怒りに任せて叱責しても、部下は萎縮するか反発するだけで、成長にはつながりません。
一方で、仮面をかぶって判断できるリーダーは、部下に「この人は信頼できる」「感情に流されない」と思ってもらいやすくなります。感情を交えずに判断することで、組織全体が落ち着いた雰囲気になり、メンバーの心理的安全性も高まります。
また、自分自身の精神的なブレも少なくなり、長期的に安定したリーダーシップを発揮できます。リーダーにとって仮面をかぶることは、冷たくなることではなく、“全体を守るための覚悟”とも言えるのです。
部下を育てるうえで最も重要なのは、「仕組み」をつくることです。優しい声かけや情熱だけでは、人は継続的に成長できません。目標を明確にし、振り返るタイミングを定期的に設けることで、部下は自分の課題や強みに気づいていきます。本書では「人は仕組みでしか育たない」と断言し、実際にリーダーがやるべきステップが具体的に示されています。
たとえば、毎週1回の1on1で進捗確認とフィードバックを行うだけでも、部下の成長スピードは大きく変わります。また、フィードバックは結果だけでなく、そこに至る「プロセス」や「工夫」に目を向けることが重要です。
部下は「見られている」「評価されている」と感じることで、自主的に動こうとするようになります。一方、目標が曖昧だったり、やるべきことが不明確だと、人は迷い、行動が鈍くなります。リーダーが先回りして悩みの“解像度”を高める仕組みをつくることで、部下は自然と自走しはじめます。
つまり、仕組みづくりは「部下の成長」と「リーダーの負担軽減」の両方に効く最も重要なマネジメント手法なのです。
先ほど紹介した3つの主要ポイントに対して、アクションプランを提示します。
まずは自分の中で「やらないこと」「譲れない基準」を明文化し、判断の軸を持ちましょう。誰に対しても同じ対応を貫くことで、チーム内に一貫性と公平感が生まれます。日常業務の中で迷いやすい場面があれば、都度ルールに照らして処理する癖をつけましょう。
イラっとした瞬間に深呼吸し、「これは役割として判断する場面」と心の中で唱えるクセをつけましょう。感情的になりそうなときこそ、1テンポ置いて“仮面をかぶるスイッチ”を入れる習慣が効果的です。対話では「何が起きたか」→「なぜか」→「次にどうするか」の順で冷静に進めるよう意識しましょう。
1on1ミーティングやチャットなどの場を使って、目標の進捗確認とフィードバックを習慣化しましょう。進捗だけでなく「どんな工夫をしたか」「何に悩んだか」といったプロセスにも耳を傾けると、成長の実感が高まります。日々のコミュニケーションで「あなたの成長に関心がある」と伝えることが、自走力を引き出す第一歩になります。
良かった点
- 感情ではなく役割で動くという視点が、行動に迷いがちな人にとって非常に参考になる。
- 抽象的な理論ではなく、具体的な行動に落とし込める点が実用的。
- 誰もが一度は感じる「上司の苦しさ」に正面から向き合った内容で、読み終えたあとに安心感がある。
悪かった点
- 経験者向けの内容が多く、初学者は少しハードルを感じるかもしれない。
- 人間関係の本質を「演じること」と捉える視点に賛否が分かるかも。
- もう少しリアルなケースがあれば、より具体的にイメージできたかもしれない。

いや〜正直、リーダーって“気合いと根性”でなんとかなるもんだと思ってたけど、全然違ったわ…。

それな。むしろ“人間らしさ”を封じるくらいの割り切りが必要って感じするよね。

感情じゃなくて“ルールと位置”で動くっての、思ってたよりハードだけど超大事っぽい。

うん、なんか「いい人になろう」より「ちゃんと上司やろう」って方向に切り替えたほうが楽かも。

それでも“仮面をかぶる”って考え方は、まだちょっと怖いけど…。

でもさ、部下から見たらその仮面こそが“信頼の正体”かもよ?

…おお、なんか今日のTom、深いな。リーダーの仮面、似合いそうじゃん?

それ、褒めてる? 皮肉? ま、明日から私も仮面コレクション始めるわ。
チームを引っ張るというのは、決して“強い人”だけができる仕事ではありません。本書は、どんな人でも“ルールと立場”を理解し、“仕組み”で成長を促すことで、成果を出せるリーダーになれると教えてくれます。
これからリーダーになる方、今まさに悩んでいる方にとって、「救い」と「軸」を与えてくれる一冊です。